カルチャー顔

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カルチャー顔って言葉が巷を騒がせたときに小袋さんがツイートした内容を今でもロンドンの街を歩いている時によく考える。

「全ての人々がもれなく美しいということ」

わたしはこうは思えない。自分は特に不細工に生まれてしまったので毎日鏡を見て叩き割りたくなる衝動と戦っているし、こんな私のことを美しいという人がいたらお前は正気か?と思う。まだ全ての人が美しいだなんて思える境地に達していない。1ミリも思えない。

でも彼の言わんとしていることは分かる。

特に日本人は、人の容姿に対してのハードルが高すぎるから、自信のないブスが大量生産されているとおもう。

ブスとかデブとかチビとかハゲとか、色々あるけどめちゃくちゃしんどい足かせじゃないですか。生き地獄じゃないですか。頑張っても限度はあるし、それでも死ぬのは怖いしなんとなく生きるしかなくて、もう泣くのもダサいけどふとしたときに泣けてくるよなぁ。自分なんでまだ生きてるんだろって。

でもロンドンの街を歩いてるとね、「全ての人がもれなく美しい」というのがじわじわ分かってくる。本当に美しいのはスーパーモデルのような体型で黄金比率の顔立ちのブロンド青目の白人だけではないのだ。アジア人はみんな白人の顔に憧れている。

一重まぶたで細い目、日本だとコンプレックスすぎて女の子はたいていアイプチしたり整形したりなんらかの手を施すと思うけど、それを美しいと感じて魅力的に思ってくれる人たちをたくさんヨーロッパで見た。アジアだと全くモテない、祖国で彼氏ができたことのない淡白な顔立ちの女の子でも美しいと言われてイタリア人の彼氏ができていた。

西洋人はどんなに太っていても体のラインが出る服を着て、バチバチにおめかしして出かけている。日本でこの脚の太さで肌を出していたら白い目で見られるだろう、という体型の人でも自信満々できらびやかな衣装を着ている。

その自信が羨ましかった。最初からアジア以外で生まれていたら自信が持てていたかもしれないなあ。太っていても目が細くても背が低くてもみんなそれぞれに自信があって好きな格好をしている。

私はロリィタファッションや原宿系の当時フェアリーと呼ばれていた服装が好きで、たまに奇抜な格好をして街を歩いていたけど、後ろ指さされたりブスが何やってんの?可愛いとおもってるー?(笑) って声かけられたことがある。ブスは好きな服着たらいけないのかと思ってひどく傷ついたし、自信がどんどんなくなって当時の服は全部捨てちゃった。まぁマイノリティーだから、それくらいで心が折れるようじゃ最初からそんな服着たらいけなかったと思う。

日本人はまだ人を許す心が足りない。痩せてなきゃ可愛い服は着たらいけない、二重まぶたでぱっちりの目で顔は小さくないと恥ずかしいと思ってしまう日本人の意識はどこからきたんだろう。なんでこんなに容姿のことばかり考えてずっと苦しいんだろう。ロンドンで解き放されたい。だいぶ良くなったけどまだつらい。

 

最近ロサンゼルスでプラスサイズモデルとしてツイッター・インスタグラムで名を馳せてる日本人の方がすごくいいので知らなかったら見てほしい。

体重80キロの私がロスでモデルをしている理由|体重80キロのファッションモデル|藤井美穂|cakes(ケイクス)

 

特にこの動画、ダンスと歌唱力!!見てください。↓

Miho Fuji 藤井美穂 on Instagram: “My facial expression is more dancer than dancer !!!! ❤️ Thank you @shoedazzle @thealiyajanell #ShoeDazzlePartner…”

Miho Fuji 藤井美穂 on Instagram: “@trampstampgrannys I had too much fun! What a cool place. @laurawileypiano made this night so awesome ! Thanks for taking me here…”

 

私は感動して泣きました。デブと言われて体型を隠す服ばかり着ていた幼少期から、アメリカに出てコンプレックスを乗り越えてこんなに自分の能力を磨いて昇華させている日本人。めちゃくちゃすごい精神力。とても真似できないし本当にかっこいい。

容姿で決めつけて蔑む日本の文化、どうやったら変わるんだろう。この藤井美穂さんのように、太っていても魅力的でこんなにもかっこよくなれるってこと みんなに知ってほしい。日本の美意識はズレているし遅れている。私もまだ毒されていて、沼から抜け出せず苦しんでいる。