ドイツ語

"Time flies like an arrow."

 
これを和訳するならば、ことわざの“光陰矢の如し(月日がたつのは、矢が飛ぶように早いということ)”が当てはまるのですが、この決まりきった名詞や動詞の概念を一度取っ払って柔らかい脳みそで考え直すと新たに別の訳が2つできます。
 
 
 
 
1つ目は、"time"を動詞として使う方法です。
 
 
→(1)ハエを矢の如く計れ
 
timeを、時間を計る という動詞として取り、命令文にしました。
 
 
 
 
 
2つ目は、"time flies"で一つの名詞としてしまう方法です。
 
→(2)時間バエは矢を好む
 

架空の名詞を作ってしまいましたが文章として意味は通じます。

 
 
 
 
対してドイツ語は、どんな名詞でも頭文字が必ず大文字になるのでこのような曖昧な表現は作れないのです。
 
Die Zeit fliegt wie ein Pfeil.
 
ドイツ語では、光陰矢の如しという一つの訳しか作ることができません。
 
 
厳格なルールのもと論理的に構成された言語であるため、文法的にミスリードを起こす可能性が低いことが特徴です。英語圏の学者も、論理的な論文を書く際にドイツ語を好んで使う人も多いそうです。
 
しかし私はそんなドイツ語の学習に狂おしく手を焼いております。格や人称変化など精密にルールが定められており、さらに名詞にはひとつひとつ性別があります。例えば猫(Die Katze)は女性、机(Der Tisch)は男性、本(Das Buch)は中性 という具合にモノには全て性が定められており、それを記憶しなければ文章を組み立てることができません。
 
他にもたくさんの厳密なルールがあり、ドイツ語を学んだあとに英語を聞いたり話したりすると、なんてストレスのない言語なんだと安心するほどです。
 
ドイツはそんな言語を持ち合わせているからか、人間性にも厳格さが表れています。ヨーロッパには、イタリアやスペインやフランスのイメージが先行して情熱的でロマンチックな印象を抱くかもしれませんが、ドイツはそのイメージに当てはまりません。国民性は情熱的とはいえず、どちらかというと暗い印象で、時間に厳しく、そして勤勉で生真面目、古き良き日本に近いものがあります。
 
ドイツ、と一括りにしてしまうのも少し乱暴かもしれません。ベルリンの壁崩壊までは東と西で環境が全く異なりました。南と北でも国民性に違いが出ます。特にオクトーバーフェストの聖地であるバイエルン州はドイツの最南に位置しており、踊って笑って飲み明かすような陽気な人が多いようです。
それでも厳格で綺麗好き、合理的な国民性はどこか共通している気がします。
 
 
 
と、散々御託並べましたが私ドイツ行ったことないんですよ。教科書で学んだことや学科のドイツ人の先生たちから見受けた印象を私なりに文章にしただけです。ドイツ学科なのにドイツに行ったことがないっておもしろいです。行ってみたいけどなんとなく卒業旅行では行きたくありません。いつか就職して働き詰めて頭がおかしくなって逃亡したくなった時にフラリと行きたいです。
まぁドイツに行ったとしても絶対英語しか話さないと思います。話すとしてもレストランの注文ぐらい。
未だに自信を持って会話することができないよ。こんなドイツ語力で卒業させてもらえるのでしょうか。